とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, May 3, 2015

PhenoFluorはどれくらい頑張れるのか? (2) : "Late-Stage" Deoxyfluorination of Aliphatic Alcohols

去年の4月に食べに行った両国にあるラーメン屋のメモです↓

-まる玉らーめん (680 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
creamyで、とっても優しいoilyさのポタージュと形容したくなるような鶏白湯スープは凄く上品。
硬さ普通でオーダーした麺は、博多ライクにかなりの細麺で、食感良く、スープに合っていて良い。
具は、あおさ、刻み青ネギ、チャシュー。あおさと供にスープを啜るとoilt tasteが緩和されすっきり感up↑。チャーシューは薄く、臭みの無いoilyさで、塩味が効いていて味も良い。
はっきり言って、とっても旨い。欠点らしい欠点が見当たらない。しいて言えば、チャーシューは「煮豚だろ」とか「チャーシューのoilyさが少しくどくないか?」といった程度。excellent!!!


閑話休題


PhenoFluor絡みの文献メモの続きです。今回は、
Late-Stage Deoxyfluorination of Alcohols with PhenoFluor J. Am. Chem. Soc.2013135, 2470-2473.」
のメモです。


この論文では、脂肪族アルコールの"Late-Stage" Deoxyfluorinationを謳っています。


基本反応条件は、

PhenoFluor/ 適量
DIPEA/ 2.0 eq.
(KF/ 2.0 eq.)
反応時間/ 2-20 hr
溶媒/ CH2Cl2 or PhMe or dioxane
反応温度/ 23-80˚C

Hunig's baseは反応時間短縮に効果があり、KFは脱離反応を抑制する効果があります(KFは、反応の進行に必須ではない)。

他のフッ素化剤との比較はこちら↓

Fmoc-セリンのメチルエステルは、そのβ-ヒドロキシル基は脱離(脱水)しやすく、カルバメート基の分子内環化によってアジリジンを形成しやすいそうですが、PhenoFluorによるフッ素化ではそういった副反応は見られません。さらに、PhenoFluorを用いた反応は室温でも進行するので、熱に弱い基質にも適用できます。

脂肪族アルコールのフッ素化は上記二基質の他に、天然物や医薬品かそれらの誘導体といった比較的難しい基質15例で一般性を検討していて、30-92% yieldです。

で、この脂肪族アルコールのDeoxyfluorinationの特徴としては、

a) キラルな二級アルコールでは、エピ化や脱離が起こることなしに、立体反転したフッ素体を与える
b) 二級アリルアルコールはSN2機構で反応が進行し、SN2'生成物はできたとしてもごく僅か
c) ケトンやアルデヒドがあってもオッケー(既報では、geminal difluorideを与えることしばしばで、チャレンジングな基質。Synthesis2002, 2561-2578.)

挙げられます。さらに、多価アルコールのDeoxyfluorinationにおける選択性(フッ素化の優先度)は次のようになります。

d) 1級、2級、3級のアルコールが混在するとき、1級が選択的にフッ素化される
e) 2級アルコールがアリルアルコールでない場合、反応は非常に遅く、β,β'-二置換の場合は全く反応しない
f) 3級アルコールは、アリルアルコールでないかぎり、反応しない
g) 水素結合を形成している水酸基は不活性

このd-gで示される識別は、他のDeoxyfluorinationではみられないそうです(これは凄い)。

PhenoFluor: Practical Synthesis, New Formulation, and Deoxyfluorination of Heteroaromatics Org. Process Res. Dev.201418, 1041-1044.」に続く.....

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