2008年10月27日月曜日

何故円を外貨に両替するのか?

昨日、報道番組を見ていたら、街角で円を外貨に両替する人が沢山いるというのがありました。

コンキチは、エンタの神様のフランチェンばりに思考停止してしまいました。

a) 何故、外貨預金を選択しないの?
b) っていうか、外貨MMFでいいじゃん(より厳密には短期の公社債で運用する商品だと思うんだけど、まあいいじゃん。コンキチの認識が間違ってたらごめんなさい。専門じゃないので)
c) FXが最もコストが安いと思うんだけど。マネックス証券だったらロットもかなり小さくてO.K.だったと思うし。

(間違ってたら申し訳ないんだけど)両替が一番手数料とられるんじゃないかなあ。しかも、手間かかるし、インカムゲインないし。クリック数回で、ネット証券とかと取引した方が、圧倒的に便利&有利だと思うんだけど。

あっ!ひょっとしたら街角で両替すると税制的に申告の必要ないの?(っていうか手数料を差し引いて、そこまで大きいロットで両替してるの?)


詳しい人がいたら教えて欲しいです。っていうか自分で調べろよって感じですかね?

2008年10月26日日曜日

中流の戦略 (2)

スターバックスがとうとう缶コーヒー市場に参入してきました↓

大のスタバファンのコンキチとしては期待が高まります。それぞれのデータはこちら↓

1) ESPRESSO DOPPIO (黒い方ね)
原材料名: 牛乳、コーヒー、砂糖、クリーム、カゼインNa、pH調整剤、乳化剤
内容量: 140 g

2) ESPRESSO CON PANNA (白い方ね)
無脂乳固形分: 4.0%
乳脂肪分: 1.5%
原材料名: 牛乳、砂糖、コーヒー、乳製品、乳化剤、pH調整剤、カゼインNa
内容量: 140 g


早速飲んでみました。で、感想なんですが、はっきり言って駄作と思いました。スタバらしさが全然ない。しかも、ちょっとしか入ってないし、高いし。あのスターバックスがこんな商品の販売を許すなんて考えられません。スタバファンのコンキチとしては、この製品のせいでっスターバックスのブランド•エクイティが棄損しないことを祈ります(ま、コーヒーは嗜好品なので、一消費者の一意見に過ぎませんが)。

閑話休題

先日のブログの続きです。

いきなり「中流の戦略」なんて語ってますが、そもそも「中流」の定義付けをやっておかねばと思います。

コンキチの言う中流の定義は超簡単です。



サラリーマン(もしくはサラリーウーマン?)もしくは、それに準ずる職業


であることです。

調べたことはないけど、なんだかんだ言ってクリティカル•マスを形成するのはサラリーマン(世帯)だと思う(日本の話ね)。

で、中流っていっても当然レンジがあるわけで、職業(職種)も年収もピンからキリまであります。中流の戦略では、ワークライフバランス、報酬(年収)、やりがい(自己実現)などを総合的に鑑みて、効率的に職業選択していくことを考えます。


ところで、世の人々って職業選択する場合、どうしているのでしょう?

コンキチの場合は、小学校のころにノーベル賞をGETできるほどの科学者になりたいなんていうことを夢みて、なんとなく理系を選択していたら、化学系の研究員になってました。まあ、針小棒大って感じでしょうか。

まあ、確固たる強い意志というか、筋道みたいなものがあったわけでは全くなく、たまたまこの道を歩んだという感じでしょうか。それでもしかし、一般的な世間からすれば、よくもまあマニアック系な職業に就く事ができたものだと思います(職場では同じような境遇の人が多いので気づかなかったが、近隣の地域コミュニティで研究員っていう職業の人ってまだ会ったことがない。ある意味、仕事の内容も学生時代の延長みたいな感じだし)。

まあ、自分が今の職業に就いてることは、ほとんど運に近いということだと思います。ここからはコンキチの勝手な憶測なのですが、我が国の一般的な家庭における子息の職業選択プロセスってこんな感じではなんて妄想しています↓


a) 保護者は、(多分、一般論として)子供がある程度の収入と安定した社会的地位を有する職業に就くことを臨む。例えば、幼少のことに、医者や弁護士(社会的地位+高収入)になりたいとかいうと親は喜ぶはず。ただ、実際になるためには高度な知識が必要で、高度な知識を獲得していく過程で挫折して実現しないだけ。また、自分の子女が大企業の社員(そこそこの社会的地位+そこそこの収入+かなりの安定感)だったりすると、親戚中に吹聴するでしょう。それから、公務員も抜群の安定感(国家とか自治体はなくならない)から親からみれば、ある意味理想に近い職業です。
b) で、保護者や保護者による教育(洗脳)を受けた子供は、一応仕事のやりがいみたいなもの(これは自分の中での想像の域を出ない)もなんとなく加味しつつ、安定感(ブランド力)があり、高収入の職業を選択する。
c) その際、比較的世間に周知された職業とか会社が選択される。世の中には非常に沢山の職業があると思うが、自分との接点がない職業は実際なにやってるか分からないし、想像も及ばない。なので、比較的接点があり、少なくとも自分達(家庭単位で)の心の中でなんとなく理解できる職業を基準(選択肢の範囲)とする。
医者→社会的地位と収入は抜群。社会的接点も非常に大きい(医者にかかった事の無い人はほぼ皆無)。
弁護士(司法試験)→医者に比べて社会的接点はそれほどないかもしれないが、メディアによって広く周知されている。
教員→社会的接点は抜群。特に田舎では名士的存在と見なされる場合も。安定感も抜群。
大企業→ソニーとか松下(パナソニックね)とかトヨタとかホンダの社員だと、なんか箔がつくでしょ。安定感もあるし、福利厚生制度も(多分)充実していると思う。給料も人並み以上には出るだろうし。
公務員(役所)→絶対的な安定感と広範な社会的接点。
が選択されるのは自然の流れ。
d) だた、労働市場というのは上記職業だけで構成されているわけではないし、パイも限られている。結果、次善の策が繰り返され、労働市場の需要は飽和されていく。


前置きが長くなりましたが、要は、 職業選択においては圧倒的な情報の非対称性が存在している。
で、 情報の非対称性を緩和してやることで、最小限の努力で最大限の効用が得られると思う。上に列挙した職業(っていうか仕事、会社)以外にもお値打ち的な職業があると思うし、それを探してチョイスするのもいい。また、専門教育が必須の職種の場合(例えば、有機合成系の研究員は院卒が必須)、計画的なキャリア(学歴)形成が必要でしょう。
また、どんな企業でも必要と思われる職種(例えば、営業とか経理とか)を選択する場合、どんな業界に属するのが最も効用が大きくなるかという命題もあるかと思います。


そういったものを次回以降考えたいと思います(中流の戦略 (3)につづく)。

続•Trialkylzinc(II) ate complex

先日、有機合成化学協会誌(Vol.66 No.10 2008)を眺めていたら、こんな記事(ケミカルズ覚え書き)が↓

高活性アルキル化剤
エチルマグネシウムクロリド
(活性化剤: 塩化亜鉛)
Highly Efficient Alkylating Agent
Ethylmagnesium Chloride (activated with Zinc Chloride)


TCIの人が書いた記事で、コンキチが以前読んだ論文(Highly Efficient Alkylation to Ketones and Aldimines with Grignard Reagents Catalyzed by Zinc(II) Chloride M. Hatano, et. al., J. Am. Chem. Soc., 2006, 128, 9998-9999.)の紹介記事です。
see http://researcher-station.blogspot.com/2006/10/trialkylzincii-ate-complex.html

この論文は、名古屋大学の石原先生のグループの報告で、2006年7月-9月の速報部門で"Most-Accessed Articles"の第1位に輝き、世界的の注目されているトピックスなのだそうです。注目していたのはコンキチだけじゃなくてよかったです。

ちなみに、塩化亜鉛添加済みのGrignard試薬はTCIで製造•販売されているそうです(CMだね)↓
Ethylmagnesium Chloride (ca. 0.8mol/L in Tetrahydrofuran) activated with Zinc Chloride (ca. 10mol%)
エチルマグネシウムクロリド (約0.8mol/Lテトラヒドロフラン溶液) 活性化剤 : 塩化亜鉛 (約10mol%)

あと、この記事に記載されていた文献を列挙↓
1) M. Hatano, S. Suzuki, K. Ishihara, J. Am. Chem. Soc., 128, 9998 (2006)注目の論文ね
2) 波多野学, 鈴木信治, 石原一彰, 化学, 62(3), 16 (2007)
3) M. Hatano, T. Matsumura, K. Ishihara, Org. Lett., 7, 573 (2005) RR'2MgLi•LiClを使った反応
4) 関連する総説 (a) M. Hatano, K. Ishihara, J. Synth. Org. Chem. Jpn., 66, 564 (2008); (b) M. Hatano, K. Ishihara, Synthesis, 2008, 1647.

あと特許も出願されています↓
特許公開2007-290973「亜鉛-マグネシウムアート錯体を含む求核試薬及びそれを使用する求核付加体」


以上、メモでした。


2008年10月23日木曜日

中流の戦略 (1)

最近、「週刊東洋経済」を衝動買いして無駄遣いしているコンキチが今週手に取ったものの特集は、ズバリ「家族崩壊」。どのように「家族崩壊」が誘起されるかというと(ロジックが成り立たっていないと感じるところもあるのだけれど...)↓

a) 介護職の低賃金層は、子供をあきらめざるを得ないくらいで、家族崩壊
b) 「セロゼロ物件」に住む日雇い派遣とかの非正規雇用の人は、家賃支払いが数日おくれると、即締め出しで家族崩壊っていうか住まいの貧困
c) 正社員(すかいらーくとかトヨタ)の社員であっても、長時間労働&サービス残業で過労死で家族崩壊
d) お受験離婚で家族崩壊

など。

dのお受験離婚はどうかと思うけど、皆中流と思われていた(?)我が国の社会構造が崩壊して、大変だっていう匂いプンプンの記事と感じました。

で、最近巷(メディア)で語られている格差問題って、当人は悪くなくて社会はが全て悪い的な論調のように聞こえて仕方がありません(しかも、国内屈指の高賃金を得ているキャスターが、さも作った深刻面して語ってるのが役者だなあと思われ笑える)。

もうずいぶん前から、「格差」社会なるものが声高に叫ばれているような気がする今日このごろ、コンキチは「アリとキリギリス」の寓話を思い出さずには入られないですね。

就職氷河期に社会に出た人は下流で大変なんていってるけど、(多分)就職氷河期に社会に出たコンキチはこう思います(1999年就職ね)↓

格差、格差と騒ぎ立て、「俺(わたし)は理不尽に社会の底辺にいることを余儀なくされている」と嘯く人たちは、自分がキリギリスではなくアリであると力強く主張できるのか聞いてみたいです。

ちなみに自分、二流大出で、就職氷河期就職だったけど、実質就職活動は2社しか受けてなくて、M1の3月には内々定でていた。ついでに言うと、コンキチは東北の駅もない片田舎の没落地主の家に生まれて、はっきり言って、けっこう貧乏だった。でも、今はとりあえず力強く中流のような気がする。

そこそこの努力で、確実に中流をGETするのってそんなに難しくないと思う。なので上記a, b, cでぶつぶつ文句言ってる人間が大勢存在しているような報道がこの豊かな国「日本」でなされていることが信じられない。

まあ、それでもより効率的に中流をGETする方法って、教育によってなし得れる可能性はあると思う。そんなコンキチの勝手な中流補完計画を妄想していきたいと思います(中流の戦略 (2)につづく)。

2008年10月19日日曜日

Co-opetition (1)

豆腐(木綿ね)をアテに新政↓を呑んでるコンキチです。

-新政メモ-
言わずと知れた6号酵母発祥の蔵、新政酒造の純米酒「新政 秋田流純米酒」。嘉永五年(1852年)創業の伝統蔵。
秋田流純米酒というネーミングが(個人的に)なかなか良いと思います。本品は寒冷な気候を上手に使い、丁寧に丁寧に時間をかけて発酵させる「秋田流低温長期発酵」(低温で18日間かけて酒母を育成する)により醸された一品で、時間をかけることにより、丈夫な強い酵母が育ち、熟成しても味ダレしない酒を生み出すのだそうです。協会酵母発祥蔵故に「秋田流」という言葉が重みを伴って耳に響いてきます。
酸味がけっこう強い。ラクトン様のmilkyな香り。僅かに果実香。熟成香(っぽい老香)がやや鼻につく。滑らかな飲み口で、口に含むと僅かの林檎様の香味が漂う。ヌルッとした独特の触感。切れ上がりよく辛い。
原材料/ 米・米こうじ
アルコール分/ 15-16%
精米歩合/ 麹米60%, 掛米65%
酵母/ 協会6号(新政酵母)
日本酒度/ +3.0
酸度/ 1.6
新政酒造(株)
http://www.aramasa.jp/

閑話休題

最近、「ゲーム理論で勝つ経営」(「コーペティション経営」の改題文庫本)という本を読んでいます。
まだ読書中なのですが、気になったところをメモします。

「Co-opetition」とは「Competition」と「Cooperation」を合成した造語です。ビジネスのフィールドでは、競争と強調が同時に起こり、「Co-opetition」では補完的生産者(補完財を供給する存在)を重視しています。そして、「競争相手」でさえ「補完的生産者」になり得ると説きます(例えば、アメリカン航空とデルタ航空は、空港設備の利用をめぐって競争しているが、ボーイングのような供給者に対しては、ボーイングの開発費用の引き下げ=販売価格の低下という面で補完的関係が成り立つ)。

で、Co-opetitionではPARTSというフレームワークを使って分析を行うようです。ちなみに、
P: Players
A: Added Values
R: Rules
T: Tactics
S: Scope
です。

今、「Player」の章を読んでいるのですが、気になった事例を一つ↓

Aspartameの話です。登場するPlayersは以下の通り↓

a) モンサント社: Aspartameの独占的供給者。商標はニュートラスウィート。
b) HSC (オランダ•スウィートナー•カンパニー): Aspartameの特許切れを狙って新規参入を試みる事業者。製薬業でいえばゾロメーカーですね。
c) コカ•コーラとペプシ•コーラ: アメリカにおけるモンサント社の顧客

最初の主戦場はヨーロッパ。欧州での特許切れをうけて、HSCはAspartame市場に参入。しかし、モンサントは学習効果による大幅な値下げによりHSCを撃退。 したかに見えたが、裁判でモンサントにアンチ•ダンピング関税を課すことに成功し、新規参入に成功します。

これに気を良くしたHSCはアメリカ市場への参入を試みます。アメリカ市場における主要顧客は、コカ•コーラとペプシ•コーラ。しかし、競争が起こる事はなく、特許が切れる前にコカ•コーラとペプシ•コーラはモンサントとの長期契約を結んだそうです。

(価格)競争が起これば得するはずのコカ•コーラとペプシ•コーラは何故特許切れ(HSCの参入)を目前にしてモンサントと長期契約を結んでっしまったのか?

理由は↓




ニュートラスウィートというブランド力



たとえ全く同じものであっても、ブランド名(商標)が違うと消費者はそれが(品質も劣った)違うものと認識してしまう。

ちなみに、フリー•ランチに預かったのはコカ•コーラとペプシ•コーラ(両社合わせて2億ドル/年のコストダウンを達成)。
モンサントは、ブランド力とコスト優位性で、シェアを維持し損失を最小限に抑えることができた。
HSCは競争を無料で売ってしまった。


教訓

a) ブランド力は偉大だ
b) 特許切れを狙うときは、先行企業の学習効果に基づくコストダウンの能力分析すべし(法律のことは良く分かんないけど、アンチ•ダンピング関税が発動しなかったら、HSCは欧州市場でヤバかったのでは?)


以上、二流大出のなんちゃって研究員の読書感想文でした。

2008年10月18日土曜日

ユニクロ考 (2)

大人の娯楽誌「週刊東洋経済(2008/10/11特大号)」に柳井会長兼社長(ユニクロ)のインタビュー記事があります。

で、けっこういい事言ってると思いました↓

担当者だと、目先のこととか自分の都合で考えがちなんです。もっと客観的に、買いに来る人の視点で考えないといけない。

あと、

トップダウンというと、ボトムアップに反する意味でとらえられがちなんですが、そうじゃないです。僕は、トップダウンがなければボトムアップはありえないと思っています。<中略>トップとボトム両方向からやらないといけないんです。

それから、柳井会長はファーストリテイリングを多国籍企業ではなく、グローバル企業にしようとしているようです。

ところで、ファーストリテイリングが競争を挑んでいくメガ•アパレルはこんな感じ↓

(↑こんな感じの表が載っていた。1スウェーデンクローナ=16円、1ドル=106円、1ユーロ=155円で換算しているそうです)

圧倒的なインディテックスのオペレーション効率の高さが際立っているようにコンキチには思われます。
日本勢のユニクロに期待したい二流大出のなんちゃって研究員のコンキチなのでした。

ボロン酸エステルをつくる

Mild and Selective Synthesis of an Aryl Boronic Ester by Equilibration of Mixture of Boronic and Boronic Acid Derivatives
Org. Process Res. Dev. ASAP.
GlaxoSmithKlineの報告です。


最もコンベンショナルなボロン酸合成は、アリール金属試薬(ArLi or ArMgX)とホウ酸エステルの反応ですが、ホウ酸エステルへの第2、第3の付加によるボリン酸やトリアリールボランの副生が伴う場合があります。
ref. Org. Process Res. Dev. 2004, 8, 511-523.

で、そのような副反応を抑える方法として、
a) 低温で反応を行う。
b) in situ quench protocols (J. Org. Chem. 2002, 67, 5394-5397.後で調べてみたい)
c) 嵩高いアルキルホウ酸エステル(i-PrOBPin)をふんだんに使う
といった方法がありますが、プロセスの効率をUP↑させるためには、化学両論量に近い量の試薬の使用と室温に近い反応温度でオペレートすることが重要です。

ちなみに電子リッチなアリール基を有する基質の場合、反応条件に関わらず大量のボリン酸が生成してしまう場合がしばしばあるようです(Org. Process Res. Dev. 2001, 5, 450-451.)

で、著者らの仕事ですが、ある種のArMgClが比較的マイルドな条件でボロン酸エステル(目的物)とボリン酸誘導体の混合物を与え、この反応混合物を50℃くらいに加熱すると全てボロン酸エステル(目的物)へと変換されることを見いだしました。


上記schemeの反応なんですが
a) 「i-PrOPinを-10℃で、ゆっくりと加えるor one portionで一気に加えて反応を行い、室温まで加温すると、ボリン酸誘導体はトレース量に抑えられる

のに対して、

b) 0.6eq.のi-PrOPinを加えて、室温まで加熱すると、ボリン酸(R=H)が60%まで生成する。

そうです。

ちなみに、反応混合物中のボリン酸誘導体はゆっくりとボロン酸エステル(目的物)の変換されていき、加熱することでその速度が加速します。ボリン酸を作為的に60%まで生成させても、その状態から50℃, 1 hrで完全にボロン酸エステルに変換が完了するそうです。

あと、もっとシンプルな基質を使った場合こうなります↓
反応条件は、Grignard試薬(1.0eq.)を0℃でiPrOBPin(0.6eq.)に加えて30min撹拌後、さらに0.6eq.にi-PrOBPin (0.6eq.)を加えます。

entry 1 R=H, X=Cl, boronate:borinic derivative=45:55(initial), no conversion(after 16 h at reflux)
entry 2 R=p-OMe, X=Br, boronate:borinic derivative=55:45(initial), no conversion(after 16 h at reflux)
entry 3 R=o-OMe, X=Br, boronate:borinic derivative=42:58(initial), 94:6(after 1.5 h at 50℃)

ボレートを変えた場合↓

entry 1 B(OR)3=iPrOBPin, boronate:borinic derivative=45:55(initial), 94:6(after 1.5 h at 50℃)
entry 2 B(OR)3=B(OiPr)3, boronate:borinic derivative=40:60(initial), 80:20(after 30 h at reflux, 20% of the proto-deboronated product was observed)
entry 3 B(OR)3=B(OMe)3, boronate:borinic derivative=31:69(initial), no conversion(after 16 h at reflux)


プロセス•ケミストの鏡のようないい仕事してるなあと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

2008年10月13日月曜日

ユニクロ考

大人の娯楽誌「週刊東洋経済(2008/10/11特大号)」に、ユニクロの特集記事と柳井会長兼社長のインタビュー記事がありました。

ユニクロの特集記事では、あるアパレル関係者の試算と題して、「3,900円のユニクロのジーンズを、卸中心の大手デニムメーカーが同じ原価で作れば、販売価格は8,000円を超える。さらに、スケールメリットを生かしたユニクロの調達力まで考慮すれば、同じクオリティで作ると12,000円以上の値札がつくだろう」という記述がありました。

っていうか、昨日ユニクロに買い物に出かけたのですが、自分、ユニクロで初めてジーンズを購入してしまいました。
密かにコンキチはジーンズはリーバイス派で、何年か前まえまではユニクロのジーンズを心の底から馬鹿にしていました。で、今回の東洋経済の記事をみて、ユニクロのジーンズってそんなのクオリティ上がってるのといった半信半疑な気持ちでユニクロジーンズを手に取ってみると、なかなか良い風合いではないですか。しかも、2,990円。クオリティとコスト•パフォーマンスに負けて購入する運びとなりました。


ところでこの特集記事では、ファーストリテイリングがどうやってV字回復(? 「L字」じゃないの?)を成し遂げたかの理由的なものが言及されています。
記事では、サプライチェーンなどのオペレーション効率の向上と、「ファッションを取り入れたベーシック商品」というポジショニングを再定義することが奏功したと述べられていたように思います。

でも、もっと重要なものがあったとコンキチは思いますね。それはズバリ、


芸能人をふんだんに使ったプロモーション


だと思います。

勿論、記事で言及されていることも重要であったに違いないと思いますが、一番効いてるには宣伝だと思う。

多数の著名芸能人に自社製品着せて世間に、その知名度とスタイリッシュ(カッコいい人や綺麗な人は、基本的に何を着ても似合う)さをアピールする。こうした宣伝の物量作戦でユニクロはブランド化したのではないかとコンキチは感じています。

もう十数年前のことですが、大宮の17号沿いにユニクロの店舗があったと思ったのですが、その当時の印象は、ナショナル•ブランドの出来の悪い(人気のなさそうな)品をディスカウント•プライスで売る店なんだなというものでした。

それが今や一点、SPAに事業転換しユニクロブランドを確立した。初めはEDLP的な感じで、けっこうバカにされていた感もあったように思いましたが、今や国内にユニクロと伍していけるようなアパレルメーカーは皆無といって良いでしょう。これって、多くはプロモーション(Promotion)に帰するとコンキチは思うな。

勿論、
a) マス•マーケットの購買意欲を刺激するプライシング(Price)
b) サプライチェーンの強化(Place)
c) クオリティー、デザインの向上(Product)

も事業拡大に寄与しているとは思うけど。


ちなみにコンキチは、この一代でユニクロの繁栄を気づき上げた実績をもって、柳井会長を尊敬しています。ちなみに柳井会長の座右の書ともいうべきこの本↓も当然読了しています。


2008年10月12日日曜日

日本国のストラテジスト

豆腐をあてに晩酌しているコンキチです。今日は、ちょっと高級な豆腐をチョイスしてみました。


←男前豆腐です。
北海道大豆使用
(株)三和豆水庵
http://www.sanwatousuian.co.jp
感想↓
ねっとりとした独特の触感。舌にからみついて、味が濃厚に感じる。Oily。あっさりした胡麻豆腐のよう。

さて、昨日のブログで大村益次郎の話を書きましたが、今日はその続きです。

司馬遼太郎の「花神」において、大村益次郎は一個の技術者として描かれています。彼が維新の檜舞台へと登場したのは、大村の持つ技術力が時代の要請にマッチしており、しかも他にその能力を代替するに値する人材がいなかったためだで、時代の要請という流れに流された結果だったようです。特に、政略的な意図はなかったようです。
大村の軍事面での才能は卓越しており、あの西郷隆盛でさえも彼の意に大人しく従ったようです(少なくとも司馬遼太郎の小説ではそうだった)。実際、彰義隊の制圧や戊辰戦争において見事な手腕を発揮したようです。

で、そんな大村益次郎は、長州藩に出仕前の江戸に居たときに、

「タクチーキ(戦術)のみを知ってストラトギ-(戦略)を知らざる者は、ついに国家をあやまつ」

と述べたそうです。


幕末期にあって、StrategyがTacticsよりも上位概念であるということを明確に認識していた人間がいたことに驚きです。


さらに、大村は四境戦争の折に、戦力を分散させることは危険で、兵力の選択と集中が肝要であるということを主張していました。


正にストラテジスト。もし彼が現在の世において、経営トップや企業参謀であったなら、いい仕事をしたかもしれません(ただ、大村益次郎はコミュニケーション能力はあまり高くなかったようなので、そういった地位まで上り詰める事はできないかも)。


それから、新政府の軍事でのイニシアティブをとったとき、百姓の出で、しかも長州藩出身で(政治的には薩摩の方が力がある)、しかも突然現れたというのに、自分以外に旧幕府軍の反乱を抑えられる人間はいないということを論拠に敢然とした態度で会議に臨み、目的を達成した彼は剛腕といってよいと自分は思います(司馬遼太郎の「花神」の記述を100%信用した場合ね)。

どこかの国の集金が上手なだけの政治家とはえらい違いです(司馬遼太郎の本では、大村益次郎は技術者として描かれており、政治家として描写されることはなかった)。


大村益次郎に時代から140年を経ようかとおう今日にあって、戦術のみを追求する人や、コングロマリット•プレミアム(非•選択と集中)を標榜する経営トップがいるということにいささか驚きを隠せない二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

2008年10月11日土曜日

日本国の賢者

司馬遼太郎の「花神」(上)(中)(下)を読了しました↓


花神とは中国の言葉で花咲爺を意味する言葉で、本書は、幕末から維新初期にかけて、日本全土に革命の花を咲かせて回っる中心的役回りを演じた我が国の近代兵制の創始者といわれる大村益次郎(村田蔵六)の生涯を描いた小説です。

大村益次郎は山口(長州藩)の百姓上がりの村医の子として生まれますが、数奇な運命を歩んでいく事になります↓
a) 大阪大学の前身である適塾(緒方洪庵が創始)に学ぶ
b) 一旦は山口に戻り家業(医者)を継ぐ
c) ほどなくして宇和島藩に召し抱えられ、兵学書の翻訳や軍艦の設計にたずさわる
d) 東京(江戸)に出て幕府講武所の教授どかをやる
e) 桂小五郎に見いだされ、長州藩に召し抱えられる(しばらく冷や飯をくわされる)
f) 幕長戦争(第2次)で長州軍を指揮する。
g) 戊辰戦争で新政府の総司令官
h) 西南戦争を予言
j) 刺客に襲われ命を取り留めるも、その後様態が悪化して死去(享年46)


大村益次郎は百姓あがりで、撃剣•抜刀の経験はなく、馬にも乗らないとい人物で、戦の経験もなかったにも関わらす、幕長戦争におて見事な采配をふるって幕府軍を撃退します。戦の経験もないのに、何故見事な采配をふることができたかというと、宇和島藩以降の彼の処遇に理由があります。欧米列強の武力の脅威から、最先端の軍事情報の入手が喫緊の課題となった。で、適塾で身につけた蘭学を使って、兵術や砲術といった先端の軍事技術を翻訳しまくることになります。結果、先端軍事技術に超詳しくなった。

ところで、読書っていうのは歴史を顧みる作業と同義だと思います。実体験(経験)以外に、先達の辿ってきた道を知る術は読書以外にないでしょう。

ということで、大村益次郎は、読書を持って歴史に学び、その知恵を実践に落とし込んだのでしょう。


「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

という有名な言葉がありますが、大村益次郎はその賢者を地でいく人物だと思います。明治維新というと、西郷隆盛が筆頭に思い起こされる人物と思いますが、コンキチは大村益次郎を第1等に挙げたいな。

大人の娯楽誌

昨日、Soup Stock Tokyoで食事してみました。注文したのはこれね↓

酸辣湯とライスのセットです。感想はこんな感じ↓
「酸」も「辛」も上品過ぎて刺激が物足りない。あと、コンキチの大嫌いな春菊が入っていて大マイナス。ワカメっぽい触感と味にものが多数あったように思ったんだけど、それも酸辣湯と相性が良くないような気がした。ごま油っぽいOilyさは良かったです。まあ、味が「上品」になりっすぎているのは、メイン•ターゲットが女性客だから致し方ないかなという感じでした。
密かにコンキチは酸辣湯が大好きで、かなり期待していたのですがちょっぴりガッカリでした。

閑話休題

大人の娯楽誌「週刊東洋経済 (2008/10/11特大号)」をまた衝動買いしてしまいました。で、読んでみて気になった記事の感想メモを以下に書きます。

1) 「物価高での最適資産選択」という記事
株式のインフレ•ヘッジ機能に言及した記事で、スタグフレーション下では株式のインフレ抵抗力が損なわれる理由を以下のように理由付けしていました。

「インフレのときは株式投資」といわれてきた理由は、企業収益はインフレの悪影響をうけにくいという背景があった。日本でオイルショックが起こった1970年代は、企業は仕入れ価格の上昇を販売価格に添加できた。株価は、企業収益の将来までの累計値をインフレ率で割り引いた現在価値であるので、企業収益がインフレ抵抗力をもっていると、「インフレのときは株式投資」というセオリーが成り立つ。
 ところが、現在は、企業は仕入れ価格を販売価格に転嫁できず、むしろ収益は圧縮を余儀なくされている。



突っ込みます↓
a) 「景気が良くなって企業の羽振りがよくなる」→「みんな快く製品をかってくれるので、もっと儲けようとおもって設備投資したくなる」→「企業の資金需要が高まる(ガンガン金を借りようとする)」→「過剰投資を抑制するため、政府は政策金利を引き上げる or 企業が快く金を借りてくれるので、金融機関は金利をあげる」という感じでインフレが発生すると素人コンキチは思っていたのですがね。
インフレに株式が強いのではなく、好景気の時(企業業績が好調)に景気の過熱感を抑制するために金利が引き上げられるんじゃないの。因果が逆転していると思う。
b) オイルショック時は、原油価格が意外とはやく落ち着いた気がするのですが
c) オイルショックは、1次と2次があったと思うんだけど、1次のときの調整がきつくて、2次の時はそれほどでもなかったというウワサもききますが、どのオイルショックについて言及しているのでしょうか?
d) あと、オイルショック時には円高も進んでいて、他(の先進)国に比べて原油高の影響をもろに受けなかったという話もききます
e) DCFって虚妄だと思うんですが


こんな感じです。次はアサヒビールに対するツッコミいきます。

2) 「過信を捨てたアサヒビール クリアアサヒ好調の裏舞台」という記事

消費者が求めているのは「ビールのような品質感」だ。真っ先に浮かんだのは、ビールを彷彿させる缶のデザイン。<中略>よりリアルにビールらしさを表現するには、黄色の部分を鮮やかに発色させる必要がある。そこで通常の印刷工程に一工程加えた。銀色のアルミ缶に白の塗料をかぶせ、その上に黄色を乗せることで、クリアな発色を実現させたのだ。実際に、通常のアルミ缶にそのまま印刷したデザインと、一手間加えたデザインを実際の売り場に似せて陳列してみると、圧倒的に後者が評価を得た。缶の量産に入るまで3ヶ月もかかったが、試行錯誤は実った。宣伝ものこ缶を全面に押し出した。ポスターでは、缶をどれだけ並べ、どう視覚に訴えるかに徹底してこだわった。

a) KIRINの氷結の模倣ですか?
b) 大前氏のいうとおり、「ビールは味じゃなくてマーケティングでシェアが決定する」のかな?


それからもう一つ↓

 味の完成度を高めるために、初めて他社製品と飲み比べる相対評価を取り入れた。季節やそのときの気分に左右されにくく。商品の良しあしをストレートに判断してもらえる。
 ここで、また一悶着あった。相対評価は一般的なマーケティング手法だが、「家庭では飲み比べなんてしない。そんなテストをやってもムダ」というのが従来の思い込みだった。



a) 飲み比べやってなかったなんて、傲慢だね。
b) ちなみに自分、たまに飲み比べします。軽く侮辱された気分ね。
c) この話ってホントの話なの?話題作りのために脚色したしょうにしか思えない。東証一部上場の大企業のこの体たらくが事実だとしたら、そうとうこの会社レベル低いぞ。
d) やっぱり、「ビールは味じゃなくてマーケティングでシェアが決定する」のかな?
e) 実際にクリアアサヒを試してみたけど、香りはそこそこ良い。あと、粗野な甘い香りが漂う。でも味は水で薄めたビール飲んでるみたいです。あた、metallicな酸味感じる。特異な雑味がないっていうだけの飲み物で、不味いのでもう二度と買いません(あくまでも一個人の感想に過ぎません。けっこう売れているようなので、本当はとっても美味しいお酒なのだと思います)。


メモは以上です。それにつけても、


ビールは味じゃなくてマーケティングでシェアが決定する


のかなあとちょっぴり哀しくなる二流大出のなんちゃって研究員なのでした(コンキチは趣味: 晩酌です)。

2008年10月9日木曜日

「化学」賞?

さて気がつけば、今年のノーベル化学賞が発表されましたね。しかも日本人の受賞。一応、化学の徒として、慶ばしきことかなとか思ったのもつかの間、


これって、化学賞なの?生理学・医学賞じゃないの?


とコンキチは思ってしまいました(勿論、賞の受賞自体は素晴らしいと思いますよ)。


でも、こんなこと思ってるのはコンキチだけかしら?と思い、その旨確認すべく、有機化学美術館•分館をチェックしてみました↓
http://blog.livedoor.jp/route408/archives/51289424.html

どうやら、化学賞の付与に疑義の念を持っていたのはコンキチだけではないようで、ちょっとホッとしました(権威に対する服従?)。


なにはともあれ、この世知辛い世の中にあって、ノーベル賞受賞なんていうポジティブなニュースは心をときめかせるななんて思う、最近ちょっとポジティブな二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

2008年10月8日水曜日

海苔の妙味

今日のブログは普通の日記です。

神田まつやに行ってきました↓



コンキチは普段、蕎麦は「もりそば」を頼むのですが、今日は「ざるそば」をオーダーしてみました。しかも大盛りの「大ざる」(850円)。

理由は以下の2点↓
a) 神田まつやの「もりそば」には薬味に山葵がつかず(葱だけね)、山葵好きのコンキチとしては耐えられない。山葵がつかない理由は、蕎麦の香味が損なわれるから(素人考えで、端境期くらい山葵つけてくれても良いのではと思う)。
b) 「ざるそば」には海苔(手でちぎったような)が振りかけてあるのだけれど、蕎麦と海苔は相性がよいというので、それを試して(確認して)みたかった。それから、神田まつやの店主曰く、海苔と山葵は相性がよいとか。なので、神田まつやの「ざるそば」には葱の他に山葵も薬味としてついてくる(山葵好きのコンキチ的には満足)。


ということで、食べてみた感想↓

細く揃った弾性のある蕎麦が醸し出す触感が良いです。触感重視のコンキチとしてはうれしい味です。あと、懸案事項だった「蕎麦と海苔の相性」ですが、



想定外の美味さです!!!



Excellent!!!!!


さらに、海苔のかかった蕎麦に、山葵をちょいとつけて、つゆにからめて啜ると、最高です。味の奥行きが広がる感じ。神田まつやの海苔が抜群に美味いからなのかどうかは分かりませんが、


蕎麦と海苔


ベスト•マッチです。


ただ、神田まつやってお客でごったがえして混雑しているので、落ち着いて蕎麦を堪能できないのが玉にきずですかね。


もうそろそろ新蕎麦の季節かと思うと、心浮き立つ二流代出のなんちゃって研究員なのでした。

2008年10月5日日曜日

PB vs. NB (3)

日本経済新聞10月2日朝刊にこんなのがありました↓

1) 食品大手、PB受託生産 - ハウス・カレー、アサヒ飲料・炭酸飲料、伊藤園・紅茶。
2) 食品大手、PB受託生産 - 苦肉の収益源確保、自社商品と競合も。

以下、勝手な要約↓

PBを仕切っているのは小売り。国内大手流通グループといえば、セブン&アイとイオン。両者が展開するPBは、それぞれ、セブンプレミアムとトップバリュー。この二大PBの大きな相違は、セブンはPBの製造者を公表している一方で、イオンでは(原則)公表していない(この違いに気づいてませんでした)。

本記事では、大手メーカーがPBへの最近の参入の度合いを増しているというもの(もっぱらセブン&アイへの供給が中心)。最近の大手のPB参入例にはこんなのがあるようです↓

a) ハウス食品→昨年から香辛料。レトルトカレー受託(セブン&アイ向け)
b) アサヒ飲料→炭酸飲料(セブン&アイ向け)
c) 伊藤園→既に野菜飲料で参入。紅茶(セブン&アイ向け)とスポーツドリンクを追加
d) ニチロ食品、加ト吉、味の素冷凍食品、日本水産→シューマイ、ミートボール
e) 日本ハム→ウィンナー、ロースハム
f) J-オイルミルズ→菜種油
g) 三洋電機→白物家電(イオン向け)
h) 日本製紙クレシア→菜種油
i) カゴメ→ソース
j) 山崎製パン→菓子パン
k) ブルボン→クッキー
l) エスビー食品→レトルトカレー
m) 伊藤ハム→ハム、ソーセージ
n) 日本製紙クレシア→ティッシュペーパー
o) 三洋電機→白物家電(ホットプッレート、アイロン、炊飯器などイオン向け)


けっこう大手の参入が進んでるんですね。ただ、各社の戦略は必ずしも同じではないようです。

まず、アイテム毎にPBへの取り組みが違うようです。
i) 日用品→大手ブランドのシェア高く、大手は一部を除いてPBを生産していない
ii) 食品→種類、競合が多く、ブランド力は相対的に小さい


あと、会社毎の各論でいくと、

(1) カルビー(スナック菓子のPB)→NBに比べ利幅は小さいが、長期に渡り供給できる
(2) 伊藤園→商品力の弱い分野に限って請け負う(日本茶以外の紙パック野菜飲料など)
(3) 日本ハム→分野ごとの売上高に占めるPB比率は10%まで


で、伊藤園の戦略は単純に良いと思いました。NBとのカニバリズムが全くない。
あと、以前イオンのNBの製造元の記載がないのはあたりまえだ的なことを書きましたが、セブンでは製造者を公表というのにちょっと驚きました。その辺りちょっとサーチしてみたいですね。

NBとPBの間のブランド•マネジメントがますます重要になってくる気がします。

2008年10月4日土曜日

アルドール

←最近、クラゲ、流れ星を聴きながら通勤しているコンキチです。癒されるんだよなあ。
 iTunes Music Store(Japan)←iTunes Music Storeからも大塚愛のうたがダウンロードできます。


ところで、今日はこんな文献を読んでみました(古いです)↓

Environmentally Friendly and Efficient Process for the Preparation of β-Hydroxy Ketones
Org. Process Res. Dev. 2004, 8, 18-21.

中国科学技術大学の報告です。

電子吸引性置換基のついた反応性の高いアルデヒドのアルドール縮合の話で、触媒はNa2CO3、溶媒は水、反応温度はr.t.のマイルド•コンディションといったエコ•フレンドリーなダイレクト•アルドールです。

こんな感じです↓

ケトン: 2-acetylpyridine (R1=2-pyridyl, R2=H), acetophenone (R1=Ph, R2=H), cyclohexanone (R1, R2=(CH2)4

アルデヒド: 4-nitrobenzaldehyde, 3-nitrobenzaldehyde, 2-nitrobenzaldehyde

とのクロス•アルドールの各種組み合わせで高収率(87-98% yield)です。Na2CO3は触媒量(25mol%)でOK。基質のreactivityの順番は上に挙げた通り。2-nitrobenzaldehydeの反応性の低さは立体障害によるものと考察。

あと、
cyclohexanoneと4-nitrobenzaldehydeの組み合わせでは、threo : erythro = 5 : 1
cyclohexanoneと3-nitrobenzaldehydeの組み合わせでは、threo : erythro = 1 : 1
cyclohexanoneと2-nitrobenzaldehydeの組み合わせでは、threo : erythro = 2 : 1

ニトロベンズアルデヒド以外のEWG基を持つものでは、3,4-dichlorobenzaldehydeが2-acetylprydineと反応して、対応するβ-hydroxyketoneを98%に収率で与える。

反応後、目的物を濾過してGETした後、aqueous filtrateがリユース可能。2-acetylpyridineと3-nitrobenzaldehydeの反応では、4回リユースしても全て定量的に反応が進行する。

それから、脱水生成物(α ,β-不飽和ケトンが生成しないこともアピールしています。


以上、この論文のウリをまとめます(Conclusionsね)↓
(1) 100% atom economical (ダイレクト•アルドールは全部そうね)
(2) 高収率、高選択性 (NaOH使うと脱水したものが副生する)
(3) 生成物の単離が簡単 (反応後のサスペンジョンを濾過すればOK。purity > 98%)
(4) 触媒が超安い


基質は限定されるんだろうけど、なかなかエコな仕事だと思いました。


今回は以上です。